観光客

 

 夏の海といえば観光客で大賑わい、な印象があります。この観光客、地元にお金を落してくれるありがたい存在である反面、時には密漁をしでかす困った存在でもあるのでした。

 先にも書いたように、漁業と一口に言っても獲る海産物や数量・時期・場所等が決まっていて、しかも権利がない人間は獲っちゃいけない。ところが観光客は、普通そんな規定の存在なんて知りません。「あ、ここウニあるよー。らっきぃ〜、獲ろう獲ろう★」となる。しかしそうやってリゾート気分で無邪気に獲られてしまっては、漁師さん商売あがったりです。断じて放ってはおけません。

 しかも最近のウニやサザエといった海産物には、わざわざ放流したものも多くあります。取り過ぎで減ってしまった資源をどうにか取り戻そうという努力。資金と手間をかけたそれらを、知らぬ事とはいえ観光客に横からかっさらわれたのでは辛抱たまらんでしょう。

 そんなこんなで、海水浴シーズンともなれば漁業監督官等は毎日海辺を見て回り、海水浴客の違法行為に目を光らせる事になる訳です。ただ、仮に見つけても知らずにやった事だから逮捕・起訴まで持っていくのはいかがなものかと、法的手段に訴えるケースは必ずしも多くはないそうですが。

 しかし。決して皆無ではありません。注意してもぶーたれて態度改めないだとか、知ってて故意にやったりすると、悪質なケースとして当然お縄となりますからね。それに、知らずにやったって立派に犯罪なんです。ただお目こぼしをもらっているだけ。これをお読みになったアナタ、くれぐれも "知らなかった密漁" なさいませんように。

 

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