にっぽんの危機

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 1995年・平成7年以降、危機管理という単語が新聞などで一般的に見られるようになりました。その年はまず年頭いきなり阪神大震災があり、また3月には地下鉄サリン事件が、さらにはオウム真理教への大々的な強制捜査がありました。「災害」と「治安」の側面において、日本は大きな危機に直面したのです。このような危機にどう対応するのか、という議論がこれ以降盛り上がりを見せ、危機管理という単語もしばしば聞かれるようになりました。

 しかるに、危機管理が重要であるとは言うものの、そもそも日本においてその危機管理・危機対応組織とはどうなっているかという点については、今一つ明らかではありません。どのような危機的事態が起こればどこの組織がいかに対応するのか、そこを整理して見る必要があるでしょう。

 とかなんとかかっこいい題目を並べてみましたが、そもそもの動機は「日本の危機対応組織について、そもそも自分自身が知らないから」でありました。で、ちょろちょろっと調べてみた結果を、せっかくだからこうしてWeb Pageにしてみました。いんちき臭くて、どうもすんません。

1.内閣の初動対応

 災害に対処し様々な活動を行うのは行政の役目。という訳で、まずは日本の行政トップたる内閣、さらにそのトップたる内閣総理大臣官邸の危機対応システムについて、簡単に見てみます。

 うそかほんとか分かりませんが、日本の、特に官邸周辺は危機管理が甘い甘いと言われ続けて来ました。情報が入るのが遅くて満足な初動対応ができず、どうにか情報が入っても今度は政治的配慮がどうとかで果断な処置が取れない、とかなんとか。まあ、私が実際に目や耳で確認した訳ではないんですけど…。 でも阪神大震災の時などは、確かにその通りでした。官邸だけの責任に帰することはできないにしても、未曾有の大地震であって大勢の死傷者が出ていることを官邸が認識したのは、地震発生から何時間かたってからでしたね。

 あれから何年かたった今、官邸はどのような態勢で危機に対応しようとしているのか。特に危機発生の一報が入ってからの初動態勢に注目して、ちょこちょこと述べて行きたいと思います。

題しまして「その日の官邸」

2.緊急事態

 まずは、治安上の危機対応から始めましょう。治安上の非常事態について警察法は、その第71条において次のように規定しています。

「内閣総理大臣は、大規模な騒乱その他の緊急事態に際して、治安の維持のため特に必要があると認めるときは、国家公安委員会の勧告に基づき、全国または一部の区域について緊急事態の布告を発することができる。」

ごく普通に緊急事態というと、それは治安上の危機に対応するところの、警察法にもとづき布告される緊急事態を指します。

 実はこの治安上の危機うんぬんについては、既に「自衛隊もし戦わば」の治安出動コーナーにおいて触れたところのものです。なので、ここで再び触れる必要はないのかもしれませんが……。しかし、あちらは自衛隊を中心とした話でしたので、こちらは警察中心で参ります。まあ、かぶる部分も多いかとは思いますが、一応簡単に。

 間違っても、字数稼ぎなどと勘ぐってはいけない。

 

3.災害緊急事態

 治安に引き続きましては、災害上の危機対応の話。上の警察法71条に該当するような条項が災害対策関連法規にも存在しております。災害対策基本法第105法には、「非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があるとき」、災害緊急事態の布告をなすことができます。

 しかるに、結論を先取りしてしまうと、これまでに災害対策基本法の災害緊急事態宣言がなされたことはありません。かの阪神大震災の時も、そしてつい最近起こった東日本大震災でも、あれほどの大災害であったにもかかわらず、ついにこの宣言はなされませんでした。あれで宣言されないんなら、どういう災害で宣言されるんだろ……とも思いそうになりますが、宣言されなかったのにはもちろん理由があります。どういう理由なのかは、そのうちおいおいと。

 この災害緊急事態宣言こそなされたことこそないものの、それ以外の災害対策活動というのは各機関で実に様々な形で展開しています。平常時からの予防活動、災害発生時の対策活動、さらに復興時の補助事業、などなど。活動機関も、国や地方自治体だけでなく、公共機関や企業、NGOなどなどなど。実に大きな広がりを見せるものです。

 これらの活動すべてを個人で追いかけるのはまず不可能と思えるので、ここでは災害発生時の対策活動、それも国と地方自治体が実施するものに絞って見ていきたいと思います。(※なお、東日本大震災関連の内容はまだないです。いつごろ追加できるかは……未定。軽く数年はかかるでしょう。筆が遅くて申し訳ない。)

 

3-3.地震災害警戒態勢

 

4.核防護

 ここでは、外部からの攻撃・妨害破壊活動などから核施設・核物質を守る活動と、原子力災害対策をセットで取り上げます。

 核施設・核物質に万一のことがあればどえらいことになるというのは、言うまでもなし。テロリストなどによる核施設の襲撃・核物質の奪取といった人為的なものもあり、また自然災害で核施設が被災する例もあり。これを書いている時点(2012年4月)で、東日本大震災に伴う福島第一原発の事故がなお完全収束しておらず、その被害が極めて広範囲に渡っていることからも、その恐ろしさは容易に理解できます。これをどう防ぎ、万一の時はどう抑えるのか……。それを、ごく簡単にではありますけれど、ここで見てみたいと思います。(※福島第一原発関連の内容はまだないです。いつごろ追加できるかは……未定。軽く数年はかかるでしょう。筆が遅くて申し訳ない。)

 

5.急性伝染病対策

 災害対策基本法にいう災害ではないのですが、伝染病の流行も、これまた確かに人命に関わる非常事態、危機であります。流行する伝染病が強い感染力と高い致死性を持つ場合、それは非常に大きな危機となります。

 これには、まず伝染病を日本に持ち込まないようにする対策、そしていざ伝染病が持ち込まれ流行した場合にこれを抑える対策、の2段階に分けられます。特に後者の流行後対策はいかにも「危機管理」という香り漂う活動と言えましょう。現在の日本は衛生管理が行き届き、伝染病の大々的な流行とは無縁であるわけですが、しかし新興・再興感染症の問題などもあり、おろそかにする訳には行きません。折りも折り平成9年に、それまでの伝染病予防法が全面改正され、新たに感染症予防法として制定されました。

 こうした状況にある日本の伝染病対策はどうなっているのかを、特に流行後対策に焦点を当てて見ていきます。

 

6.在外邦人保護/公館警備活動

 事件事故や自然災害の発生に伴う国家的危機…とは多分に様相が異なるのですけれども。これも一応危機管理ってことで、含めてみました。

 国家が危機に対し対応活動をするのはなぜか、と言えば、それは国家自らを保全するためでありますが、同時に庇護下にある国民の生命・身体・財産・権利を保護するためでもあります。個人の力ではどうしようもない大きな危機に国民が瀕する時、砦となってその保護に任ずるのは、国家に求められる根本的任務の1つと言えます。国家の領域内においてはもちろん、場合によっては領域外においても、保護活動を行う必要が生ずるかもしれません。

 国家領域外にある人間や施設の保護は、基本的に、その領域を管理する国が責任を持つところのものです。が、仮の話、もしその国が十分に保護を行うことができない状態に陥ってしまったとしたら。自国の国民や施設が、他国の領域内において、危機に瀕しながら十分に保護が受けられない、そういう状況に陥ったとしたら。

 こういう時、「他国領域内における事ですから、内政不干渉です」と言って座して状況推移を見守るのも、なるほど一手と言えましょう。しかしそれでは、危機に瀕している自国民は浮かばれません。在外公館もまた同じ。できる範囲でどうにか保護しようと手を尽くすのが、責任ある国家の行動というものです。

 ここでは、そんな「国外における危機」に際して展開されるところの在外邦人保護活動・在外公館警備活動について、簡単に見てみたいと思います。

 

7.おまけの防衛出動

 工事中です

 

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